水口氏:
全国保証は1981年の創立以来、住宅ローンの保証を中心に信用保証業務を行っております。この業界には金融機関などの系列企業が多く占める中、弊社は系列に属さない独立系の保証会社となります。そのため、業態を問わず多数の金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、漁業協同組合、労働金庫など)と提携することが可能であり、全国の主要都市を中心に13店舗を展開しています。
水口氏:
全国保証は1981年の創立以来、住宅ローンの保証を中心に信用保証業務を行っております。この業界には金融機関などの系列企業が多く占める中、弊社は系列に属さない独立系の保証会社となります。そのため、業態を問わず多数の金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、漁業協同組合、労働金庫など)と提携することが可能であり、全国の主要都市を中心に13店舗を展開しています。
水口氏:
当社は保証債務の残高12兆円超、保証件数では約75万件を保有しており、これまで蓄積してきた審査・債権管理データと審査ノウハウを活用するため、ゼロビルバンクさんとは住宅ローンの事前審査におけるフィンテックを活用したスキームを検証しています。具体的には、全国保証の保有データと金融機関などの外部データを連携し、ナレッジコミュニケーション様のAIによるスコアリング審査を共同研究しています。ゼロビルバンクさんには、「ZBB CORE API」をご提供いただき、金融機関など外部企業のAPIと連携するシステム構築を進めています。開発と並行して提携企業との検討を進め、サービスが実用化されるまで共創を進めていく予定です。
水口氏:
当社は住宅ローンの信用保証事業の拡大を追求することで事業規模を拡大してきましたが、中長期的に考えると多面点な展開を考える必要がありました。具体的には、住宅ローンに関する審査データや代位弁済データについてフィンテックを活用した事業展開ができないか検討していました。信用保証を根幹事業として持続的に成長させていくのは当然ですが、それと同時に外部環境が変化する中で事業領域を拡大していく必要性も感じていました。また、フィンテックを活用した取り組みは、デジタルネイティブの若い社員にとっても良い刺激になるのではないかと考えています。
田村氏:
私は4年程前に経営企画部に配属になり、新規事業の検討に携わってきましたが、ブロックチェーンの活用も模索してきた方法の一つです。
水口氏:
フィンテックを活用するといっても、共創していただける企業を見つける必要がありました。ただ、どうやってコンタクトを取ればいいのかが課題でした。
水口氏:
フィンテックを活用したローン審査の事業検討にあたり、自社では持ち合わせていない技術のため、AIに強い企業と斬新な事業アイディアを持っているスタートアップ企業を探していました。なるべく沢山の企業と出会える機会がないものかと三菱UFJリサーチ&コンサルティングにご相談し、2018年6月にアイディアソンを開催させていただきました。保有データと審査ノウハウを活用した新規事業をずっと考えてきて、フィンテックと融合させれば面白そうな取り組みができそうな予感がありましたので、このアイディアソンにはかなり強い意志を持って参加しました。イベントには約15社が参加しましたが、その1社がゼロビルバンクさんでした。堀口社長の熱意とブロックチェーン技術の活用への自信に感化され、すぐにお話をさせていただき、9月からプロジェクトを開始しました。
田村氏:
社内決裁などの手続きのために、プロジェクトを開始するまでに時間を要してしまうことがありますが、今回は青木常務含めて3人でアイディアソンに参加し直接スタートアップの方々のお話をお聞きできたことが大きかったと思います。私が時間をかけてまとめたブロックチェーンの資料よりも、実際にユースケース作りを手掛けていらっしゃる堀口さんの生の声をお聞きすることで、具体的なイメージが湧きますし、何より「できるかもしれない」と感じられたのが共創の決め手になりました。
水口氏:
当社が苦労している面は少ないと思いますが、AIと外部APIを連携させるには大変な苦労があったと思います。ビジネスサイド面では外部データの部分で連携いただける企業を見つけていくことが課題です。プロジェクトを一緒に盛り上げていただけるような企業だと嬉しいです。
ゼロビルバンクさんは技術提供のみではなく、ビジネスモデルを考えるところまで協力いただけることが良い点です。毎週、プロジェクトの定例会議を実施していますが、アイディアを遠慮なく提案いただき、ここまでフラットな関係で議論を展開できる環境は今までにありませんでした。ワクワクするアイディアばかりで一緒にビジネス展開をしていきたいと、いつも思わせていただきます。
また、ゼロビルバンクさんのパートナー企業をはじめ、独自に持たれているネットワークの中から企業をご紹介いただき、繋いでいただけるのが魅力的です。外部企業様との打ち合わせにも一緒に入って議論いただけるので大変助かります。技術面ではCTOの茂木さんを頼りにしていますし特に不安はありません。
水口氏:
社内からは、「全国保証もついに先進的な取り組みを行うのか」と驚きの声があがっていますし、金融機関からは今後の展開について問い合わせをいただいています。また、「AI」と「ブロックチェーン」について各々単独での活用事例は多数ありますが、「両者を組み合わせたサービスは新鮮で面白い」との意見もいただきました。
水口氏:
今は、あくまでシステムを作った段階でしかなく、外部企業へサービスを提供しておりません。今後の課題は、利用される方々が満足できるサービスをビジネスモデルとして構築できるかが鍵となります。全国保証としてはネット内で解決できる住宅ローンサービスを目指しており、エンドユーザー・住宅販売関係者・ローンを提供する金融機関との仲介役になりたいと思っています。
ブロックチェーンを使うと情報のマスキングが可能になるため、勤続年数やクレジットカードの履歴などのデータをAPIで取得し、そのデータと当社の過去の審査データを組み合わせてAI解析して、貸し付け可能性を判断します。また、当社が保有する審査情報をブロックチェーンAPIを通して秘匿性高く活用することも可能になります。
サービス化にあたっては課題が今後も色々と出てくると思いますし、失敗することもあると思います。ただ、失敗を過度に恐れず、まずは「やってみよう、試してみよう」という意識で進めていければと思います。今回の新規事業への取り組みは会社にとって有益な経験になりますし、既存事業とは違うアプローチで社会への貢献を果たしたいと考えています。
当社のこれまでの経緯を考えると非常にチャレンジングなプロジェクトですが、1年後の2019年後半にはサービスを実用化させたいです。ゼロビルバンクさんには最後まで伴走いただき、共創パートナーの企業様ともワクワクを共有しながら一緒に事業化を目指していきたいと思っています。
3社共同の定例会議の様子。左側が全国保証様のチーム、右側がナレッジコミニュケーション様とゼロビルバンクのメンバー。
本プロジェクトやユースケースについてのご相談やご質問などお気軽にお問い合わせください。